東アジアは人口動態の激変のただ中にあります。
超高齢化、超低出生、人口減少の3つが重なるのは東アジア特有の問題であり、経済、社会、文化など多方面に大きな影響を与えます。
日本と東アジア各国の未来について、社会制度と個人のライフコースの両側面から総合的に研究します。
(Zoomによるオンライン開催。
詳細はFacebookをご覧ください。)
第20回
21世紀の東アジア最大の課題ともいうべき、異次元の高齢化と人口減少について、人口経済学のテキストを用いて考えます。現代の経済学では数少ない人口問題をあつかった分野ですが、東アジアの人口動態を考えるには不十分であり、参加者の多様な背景をもとに議論を補完しながらすすめていければと思います。
第19回
認知症と金融資産の問題から、ケアと経済を総合して考えます。認知症になると、周囲からの支援が必須となり死後には相続が発生しますが、これは、近代の自立した個人や財産権の絶対性といった前提にかかわる問題です。哲学的な領域までふみこんだ議論をしましょう。
第18回
21世紀の東アジアは人口の大転換をむかえます。日中韓は、世界的にも高齢化と人口減少の激しい3カ国であり、それらが集中する東アジアは30年後にはまったくちがった社会が到来します。この大きな変化に対応すべく、日中韓の若者を集めた研究会をはじめることにしました。初回は、人口動態の基本について議論します。
第17回
2040年の日本経済は、高齢者が労働力の中心となり、介護・医療が主要産業となります。現在進行中のDXのさらなる浸透から、デジタル化したケア社会が到来すると考えられます。ジェンダーの視点もとりいれつつ未来の日本の仕事のあり方を議論しましょう。
第16回
2040年には人口構造が高齢層にシフトするため、医療・介護が産業の中心となります。そこでのサービスの受益者は介護状態や認知症の人が中心です。このような時代にこれまでの経済学の概念は果たして有効なのか。経済学の根本概念を再考します。
第15回
東アジアの新興国は、デジタル化が急速に進展する一方、社会保障制度が整備されないまま高齢化がすすんでいきます。そのため戦後の福祉国家モデルとは異なった、デジタル型の福祉システムが構築されていくでしょう。新興国のデジタル技術の最前線に迫ります。
第14回
2020年の韓国の出生率は0.84という驚異的な低水準となりました。今後20年で急激な高齢化がすすみ日本を追い抜くとされる韓国は、間違いなく世界で最も深刻な高齢化に直面する国家となります。韓国の現状とその原因について議論します。
第13回
コロナウィルスが猛威をふるった2020年でした。合理性を欠いたコロナ対策、膨大な国債の発行、団塊Jr世代を直撃する貧困、利権まみれのオリンピック。今年最後の勉強会になりますので、コロナがもたらした経済的影響について振り返りましょう。
第12回
高齢化・人口減少と経済の関係を本格的に議論した本が出版されました。日本の経済学者やエコノミストが人口論を扱わないなかで貴重な一冊です。今後、人口動態がデフレを加速させるというアトキンソン氏。その議論と提言の妥当性を検証します。
第11回
今回のテーマは少子化です。結婚、出産、子育てに関する議論を経済学的な観点からまとめた本書は、データも多く、家族形成にかかわる問題を考える多様なヒントが得られると思います。少子化にいかに向き合うかを議論します。
第10回
日本の人口はどのように変遷し、今の社会を形作ってきたのか。歴史人口学の成果をもとに、縄文以来の日本の人口史を俯瞰します。超高齢化・人口減少に直面する現状を、長期的視点を導入することで相対的に捉えます。
第9回
これまで高齢化問題の社会的な側面からの議論が中心でしたので、今回は個人のライフコースにフォーカスして議論します。ベストセラーとなった本書ですが、これまでの議論の蓄積を踏まえ、我々の視点から読み直しましょう。
第8回
日本の経済学者は人口問題をどう捉えているのか。マクロ経済学の第一人者である吉川洋氏の著書から、人口についての理論的考察をもたない現代経済学の問題点について批判的に検討します。【コロナウィルスの蔓延にともないオンラインに移行します】
第7回
人口減少と経済について正面から取り組んだ本が出版されました。人口減少地域における地銀の再編をあつかった本書は、日本の地域経済と金融の未来を考えるうえで大いに参考になる一冊です。人口減少が地域経済に何をもたらすのか、その影響を考えます。
第6回
MITでは1999年に高齢化研究所Age Laboを設置し領域横断型の研究を行っています。所長のジョセフ・カフリンのThe Longevity Economy(2017)がこのたび翻訳されましたので、本書からアメリカにおける高齢社会論の最前線を学びたいと思います。
第5回
急速な経済発展をつづける中国ですが、一方では1.7億人の高齢者を抱えた高齢化大国でもあります。高齢者の人口の急増と人口減少が予測されるなか、中国経済はどうなるのか。人口論の視点をふまえつつ中国経済のこれからを議論します。
第4回
若年者人口が増加する社会では、新規事業に投資し市場の拡大によって利益を得ることができますが、高齢化し人口減少する社会では旧来の経済モデルは機能しません。超高齢社会において金融はいかなる機能をもつのか、金融と人口の未来について考えます。
第3回
膨大な財政赤字を抱える日本、その最大の要因となっているのが急激な高齢化です。今後、人口減少と高齢化が加速していくなかで財政再建に向けた打開策はあるのか。財政破綻のリスクとその影響について考えます。
第2回
第1回は、人口動態と経済学の系譜を整理し、マルサスの人口論から戦後のアメリカの人口学の発展の流れをおさえました。今回は、日本経済にフォーカスして、高度成長とバブル崩壊、金融や労働問題など多角的な視点から、日本経済の理解を深めましょう。
第1回
超高齢社会に日本経済はどうなっていくのか。今月からエコノミストの鈴木卓実さんと共同で勉強会をはじめます。最初の数回は、経済学の基礎的な文献を使いながら、人口動態と経済の関係について議論します。多数の参加をお待ちしています。